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歯髄(歯の神経)の形態的特徴と、歯髄が痛みを起こす際のメカニズム

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むし歯治療において、「むし歯が大きすぎて歯の神経に達しています。神経をとりますね。」と言われた方、結構いらっしゃると思います。
今回は、その『歯の神経(歯髄)』の形と、痛みが出るときのメカニズムについて書こうと思います。

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歯髄の標本の絵 複雑です。

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歯髄は、周囲を硬い象牙質で囲まれた空間(歯髄腔・歯の内部の空洞)に存在する組織です。
根の先にある穴(根尖孔)から血液の循環を受け、輸送路と排出路が一緒になっています。
また、比較的大きな歯髄腔に対して、根尖孔が非常に小さいことも特徴です。

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説明付き、歯髄の標本の絵

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健康な歯髄には、歯髄内の内圧が存在し、細菌の侵入が起こった時に、感染をむやみに広げないという重要な役割があります。

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しかし徐々に感染が広がり炎症が進むと、血管拡張が生じ、閉ざされた歯髄腔の中で異常に内圧が高まり、内部の神経組織が圧迫され、激痛が起こります。
また、血液の循環障害により、歯髄死へと向かっていきます。

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歯髄の炎症や痛みは、細菌の侵入によってのみ起こるわけではありませんが、今回は、代表的なむし歯によって起きた感染を念頭に書きました。
また、むし歯によって痛みがある場合でも、常に歯髄を除去するわけではないことを付け加えておきます。

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地図