【1/10】
むし歯を感染症と考えると失敗する① むし歯治療の本質から

【2/10】
むし歯を削って詰めても、同じ歯や違う歯に再発が見られ、治せていないことも多い歯医者の現実。
また、むし歯になったという結果のみにスポットをあてて、それを削って詰めることこそが治療と考えていると、次のような場面で、解決策に困ります。

【3/10】
メンテナンス来院が続く患者さんに大きなむし歯が見つかるときがまれにあり、「これほど大きいわけですから、4か月前にもあったと思います。見つけられていませんでした。」と謝ります。
この時、私に対して怒りの気持ちを持たれることも分かります。 ですから私も心から謝ります

【4/10】
こんなことができるだけ無いように、いつも慎重に診ています。
そして仮に、いつも完全に見つけられる歯医者になったとします。しかしそれだけで良い歯医者と言えるのでしょうか?
むし歯の見つけ屋さんではなく、そもそもむし歯をつくらない歯医者でいたいと思います。

【5/10】
発想を変えることが必要です。
本当のむし歯治療は、患者さんの意識や行動(食習慣、歯磨き習慣や歯磨きの技術など)が変わっていくことをメインに考えるべきであり、歯医者、特に歯科衛生士は患者さんをアシストする伴走者、コーチ、と考えたとします。

【6/10】
すると、患者さん自身がむし歯にならないようにとる行動や変化、つまり自宅における患者さんの食生活や歯磨きこそが、むし歯治療で最も大切となります。
歯科医院での早期発見・早期治療が一番、ではありません。

【7/10】
これは、見つけられなかったむし歯の責任を、歯医者から患者さんに転換しようとする論理ではありません。
結果を出すには、こう考えなければうまくいかない、という経験から書きました。
学術的根拠は続編で説明していきます。

【8/10】
従来の考え方
・むし歯はむし歯菌が原因で起こる感染症
・削って詰めることがむし歯治療のメイン。予防と切り離していた
これからの考え方
・むし歯は主に、お口の中の常在菌のバランスや活動性をコントロールするという治療によって防ぐ。
・この治療は、患者さんの行動・変化が核心となる。
歯科衛生士は伴走者、コーチ

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