今度、絵本にしようと思っているお話の原稿
これは大人向けの絵本として考えています。
三石巌先生の「分子栄養学のすすめ」よりヒントを頂きました。
「健康の不思議なロウソク」「その中心にある健口の不思議なロウソク」
世の中には、様々なロウソクがあります。
太いもの、細いもの、長いもの、短いもの
白いもの、赤いもの、青いもの、黄色いもの
今回は皆さんお一人おひとりが体の中に持つ、それぞれのロウソクについてお話しします。
これは、現在、未来の皆さんの健康をあらわしています。
いま現在、ひときわ燃え盛っている健康のロウソクを見つけました。
このロウソクの持ち主は、気力、体力が充実し、悩みも少なく、毎日が充実していることでしょう。
つまり、ロウソクの火の大きさ、これが、いまの健康状態、健康レベルということになります。
そして、ロウソクの火の大きさは、燃えている火の真下の、ロウソクの太さで決まります。
ロウソクは根本にいくほど細くなります。そして、細くなっていくカーブの強さが老化のスピードと言えるかもしれません。
これは、遺伝子がそうしているのかもしれませんし、運命といえるかもしれません。
また、ロウソクの長さは、その方が亡くなるときにはじめて分かるもののようです。
いま現在のロウソクの火が急に弱くなれば、通常、皆さんはあわてます。
火の周りを手で囲うでしょう。これは病院に行く、痛みをとる、手術をしてもらう、というような行為で、急性期医療と言えます。病院のお医者さんに助けて頂く場面がほとんどでしょう。
そして、数年かけて大病を乗り越えたとき、ロウソクは以前より大きな火で燃えるようになります。これは、もともとのロウソクの太さにみあった火の大きさに戻ったと言えるでしょう。
健康のロウソクの太さは、もって生まれた活発性と言えるかもしれませんが、しかし細いロウソクは火も弱く、劣っているロウソクだとはなりません。
細くても長いロウソク、安定して美しく燃え続けるロウソクは、世の中にたくさんあるわけです。
健康のロウソクの不思議で恐ろしいところは、無関心で放っておくと、さらに根本の方がドンドン痩せ細っていく場合があるという点です。逆に太くなっていくことはありません。
このように、なぜさらに細くなっていくのかを考えるとき、健康のロウソクが、その方の「ひとつひとつの臓器のロウソクの束」だと考えるとよいように思います。
例えば、不摂生で肝臓のロウソクが本来よりもダメージを受けた場合、全体のロウソクも細くなってしまうわけです。
そもそも根本にいくほど細くなるロウソクを、この様に、さらに細くしてしまわないことが、健康管理と言えます。
ですからいま生きていらっしゃる全ての方々に健康管理は必要だ、ということになります。
生活習慣病や持病の安定に努力する、慢性期医療と言えるかもしれません。この場合の主役はお医者さんではなく、ご本人となることが多いのではないでしょうか。
さて、先ほどのひときわ燃え盛っているロウソク、10年後も20年後も同じように燃えている未来なのでしょうか?。
ちょっとロウソクそのものを見てみましょう。
おや?、火の真下は太いですが、まわりのロウソクに比べると、ずいぶんと急に細くなるロウソクのようです。
これ以上細くなっていかない様に、十分な健康管理が必要な方だということが分かります。
こういった「ちょっとこのままでは良くないですよ」というサインは、健康診断や人間ドックで得られる検査結果で気づかされるものではないでしょうか。
さて、ここまでは「健康」のロウソクの話でしたが、ここからは「健口」のロウソクのお話です。
健口のロウソクは、お口のロウソクです。
このロウソクには不思議な点がいくつかあります。
お口は臓器のひとつなのですが、ご自身で歯ブラシなどの器具を使って、直接にお掃除をしなければならないところに特徴があります。他の臓器とは大きく異なる特徴です。
面倒でもあるわけですが、お手入れの結果として出血が減ったなど、すぐに効果が感じられる喜びもあります。
こうしてお口の健康を維持すると、食事の充実はもちろん、素敵な笑顔も維持されて、会話もはずむことでしょう。
加えて、よくかめることは脳の血流を維持し、認知症予防につながることや、歯周病の病状が良くコントロールされることで、糖尿病が改善されることなど、お口の健口を超えた健康につながっていることが分かっています。
つまり、健口のロウソクは、数々の臓器のロウソクの束としての健康のロウソクの中で、中心にあると言ってもいいロウソクなのです。
「そんなことを言われても、私はもう総入れ歯になっています」という方や、「数える程しか歯がありません」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、お気を落とされないでください。
失った歯が取り返せないことは確かですが、健口のロウソクは比較的容易に、歯医者さんで作り直すことができるのも大きな特徴です。それが入れ歯です。心臓のロウソクとは大きく異なるわけです。
お口に合った義歯をお使いになることで、認知症が予防できることや、転倒、骨折の防止につながることも分かっています。
是非、お口から健康を意識して、健口から健康につながっていくように、日々のお口のケアを頑張っていきましょう。