混合歯列期の矯正治療
混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざってお口の中に生えている時期、個人差はありますが6~12歳ごろ)におこなう矯正治療は、限定的であるべきだと考えています。
言い換えれば、むやみにやりすぎないことが大切だと考えています。
そうしてふるいにかけた上で、やるべき処置は何か(早期にやるべき場合)を説明します。

p40より改変利用・転載
逆に、やるべきではなく、経過観察とする典型的な場合(早期にやらない場合)についても説明します。

永久歯列の矯正治療
来院時、歯を失っていなかった方の矯正治療

【Before】
・30歳 女性
・骨格性2級 Angle classⅡ、叢生
・マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)
・抜歯 上顎左右第一小臼歯 2本
・副作用 痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮

【After】
・治療期間4年
(長い期間の理由は、矯正治療の実際として近日中に詳細を記述します。)
・治療費 70万円(税込み)
来院時に歯を多数失っており、咬み合わせが不安定だった方の矯正治療

【Before】
・43歳 女性
・骨格性3級 Angle 不明、前歯部反対咬合
・マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)
TADs(歯科矯正用アンカースクリュー)
・抜歯 数ミリの残根歯(根だけの歯)を2本
・副作用 痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮、TADsの脱落

【After】
・治療期間1年4か月
・治療費 110万円(税込み) 以下は内訳
矯正費 38.5万円
セラミッククラウン5本で44万円
バネの見えない義歯 27.5万円
上顎前歯以外のクラウンは保険診療
写真は術後4年のメンテナンス来院時のもの。咬合は安定し、一切トラブルがなかった。
矯正分析の実際
混合歯列期の場合
①骨格を分析するため、②今やるべきか判断するため、③治療方法や装置を決定するため、矯正分析をします。
④この装置だけは早めに使っておこう、というような結論が先に見えている場合でも、念のため、ということで矯正分析をします。
⑤今、矯正すべきでないことが分かっている場合でも、記録のため、今後のため、矯正分析をすることがあります。
永久歯列の場合
どのような骨格や歯並びかを調べ、どのように治すのかを考えるために矯正分析をします。
矯正治療の実際
マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)がメインとなります。
その他の補助的な矯正装置については、大多数を私自身が製作しています。
インビザラインなどのアライナー矯正(透明なマウスピース型の矯正装置を段階的に交換する矯正)はおこなっておりません。
アジア人のデータに基づくと言われる、エンジェルアライナーについては、選択肢を増やすために、これから学んでいきたいと思っています。
最後に
私は矯正専門医ではありませんので、すべての患者さんの矯正治療ができるわけではありません。
上顎、下顎の不調和が著しい場合の外科的矯正治療(保険適用)は、経験もありませんし、ライセンス上も不可能です。
他にも、私の実力の問題からお断りする場合もあります。
「実力不足から断られる場合もある、なんていう理由だと心配」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。それはもっともで反論いたしません。
しかし、さまざまな歯科治療を幅広く経験してきたからこそ、できる矯正治療もいっぱいあります。「私だからこそできた」という治療もいっぱいありました。
治療は、肩書だけではありません。歯科医師の経験してきた道のり、執念、誠意、なども大切です。
2026年の今、私は52歳です。今後は、体力的にお断りする場合があるかもしれません。
あと、タイミングによっては、「土曜日しか来れない」、「夕方しか来れない」という患者さんも、お受けできないかもしれません。
よろしくお願いいたします。
